2022.09.30
天井断熱と屋根断熱
先日、東久留米市K様邸のアクアフォーム施工に立ち会ってきました。
テクノストラクチャーでは屋根断熱を採用しております。
屋根裏断熱を何故採用したかをお伝えし、弊社をご検討していただいている方や、テーマである『屋根断熱と天井断熱』と検索して辿り着いた方にも判断の材料になれば幸いです。
先ずは、屋根断熱と天井断熱を語る前に、一般的に『屋根と2階の天井との間の空間』=小屋裏空間が、普段どのような状態になるのかを解説したいと思います。
突然ですが、夏場にエアコンをフルパワーで部屋を冷やそうとしても、なかなか涼しくならずに天井付近が暑いままなどという、経験をされたことはありませんか?
賃貸アパートの最上階や、小屋裏直下のお部屋で、そのような経験がある方もいらっしゃるのでないでしょうか。
実は、天井断熱仕様の夏場の小屋裏空間は、実に60~70℃以上まで上昇すると言われております。
例えるならば、夏場のエンジンのかかっていない車内と同じような、とてつもない過酷な状況です。
一旦小屋裏の温度が、日中60~70℃もの高温になりますと、夜になっても外気温と共に温度が下がってくれたら良いのですが、そうもいかずに中々すぐに冷めることもないので小屋裏空間直下の部屋は、夜になっても暑いままになってしまいます。
これは小屋裏空間の部材や空気が熱せられ、その空間の空気から発せられる輻射熱が原因です。
また、天井に敷き並べた断熱材の隙間からも熱が漏れてくることもあるようです。
それと、夏場はゲリラ豪雨や台風の影響で昼間は猛暑、夜は突然の雨風に小屋裏温度が急激に低下し、小屋裏の空気中に含まれていた水分が放出され、その水分が、小屋裏空間の木材や断熱材が吸収し、内部結露が発生し、カビや腐食の原因にも・・・(;´・ω・)
なんて事も考えられますが、これについては、屋根裏換気又は軒裏換気を設けた住宅であれば、小屋裏空間は換気はされるので、そこまで問題にはならないと思います。
また、最近流行りの緩勾配屋根で、軒の出の無い住宅でも、外壁と屋根の取り合い部分に換気部材がきちんと施工されていれば問題はないかと思われますが、小屋裏空間の十分な換気計画が必要になります。
メリット | デメリット |
---|---|
・断熱材を厚くできる ・面積でのコストが安くなる ・冷暖房の空間が小さくなる |
・小屋裏空間が利用できない ・小屋裏換気が必要 ・隙間ができやすい |
弊社のテクノストラクチャーでは、小屋裏空間の輻射熱の影響を無くし、気密性能も向上させつつ、お客様が小屋裏収納も計画しやすくしたかったので、天井裏にアクアフォームを吹き付ける施工方法を選びました。
屋根断熱ならば屋根材と空気層が熱せられるだけなので、輻射熱の心配はほとんどありませんし、結露の心配もありません。
もちろん、屋根断熱はデメリットもあります。最大のデメリットは、コストの増加です。
屋根裏に断熱施工するのであれば、それだけでも施工する面積は増えますし、妻壁の断熱も必要になりますのでコストは上がってしまいます。
それでも、断熱性能と気密性能にはこだわりたいという観点から、屋根断熱を選びました。
(アクアフォームの吹付作業の様子)
メリット | デメリット |
---|---|
・小屋裏空間が利用できる ・熱い空気の輻射熱がない ・気密性が高くしやすい |
・断熱材の厚さに制限がある ・冷暖房の空間が大きくなる ・面積でのコストが高くなる |
天井断熱と屋根断熱については、どちらも一長一短があり、メリット・デメリットがあるので、どちらかが正解ということはありません。
構造の工法やこだわりポイント、24時間換気方法等、それらを踏まえたトータルバランスでご検討していただけると良いと思われます。
皆さんの家づくりのご参考までに!! 以上(‘◇’)ゞ